ウンナンタウン
UN街
毎週火曜23:55〜 TBS

ウッチャンナンチャン スタジオトーク

第1回
(2004/03/30)
第2回
(2004/04/06)
第3回
(2004/04/13)
第4回
(2004/04/20)
第5回
(2004/04/27)
第6回
(2004/05/04)



(2004/08/31)ジャックナイフの時代

ウ:このあいだね、(くりぃむしちゅーの)有田と、さまぁ〜ずと、あと U-turnの土田と飲んでるときに
  「芸人さんて誰でも、ジャックナイフの時代があったよね」って話になったの

ナ:ププ〜(失笑)
  切れてる時代?人を傷つけちゃうような時代(笑)?

ウ:最初、ジャックナイフっていうのはそれほどいい意味では言ってなかったんですよ。
  あんまりしゃべらないんだけど、たまに面白いことを言うときははずさないっていう・・・

ナ:ああ、しゃべらないんだけど、一言一言がナイフのように切れ味鋭い、と。
  芸人仲間からも一目置かれるような。

ウ:そう。
  有田もやっぱり・・・デビューしたての、海砂利水魚でボキャブラに出てるときは
  「(うなずきながら)俺はあんとき、ジャックだった」って言ってた

ナ:周りはみんな敵だと思ってた、ってやつだ
ウ:そうそうそうそう。 土田もそうだったって。
  さまぁ〜ずも、最初バカルディで出だしたときは「やっぱり・・・ジャックだったね」って(笑)。
  で、俺もやっぱり・・・

ナ:えーっ(驚)!?
ウ:ショートコント書いてるあたりの22〜3のときは若干ジャックだったな、と。
  そんでそのうち俺ら、「ジャック」を「J」、「若干ジャック」を「JJ」って呼ぶようになったのね。
  「あぁ、俺はあのときにJJだった」みたいな。

ナ:(笑い崩れる)
ウ:「JJよりちょっと前のJのときは・・・」とかさ
ナ:「JJ」って(笑)。Cancamとかのやつじゃないよね?
ウ:うん(笑)。

ウ:ただそれは仕事場での姿勢で、プライベートではみんなジャックではないわけよ。

ナ:寂しがりやだからねーみんな
ウ:寂しがりやだから。
  それが(その寂しさを自覚する頃が)JJの始まりだって話になって、
  JJへ変わり始める第一声っていうのは・・・・・・「ちょっと待ってくださいよぉ!」ってのが・・・(笑)

ナ:(爆笑)
ウ:これが言えるようになったら、JJだと。
ナ:大勢いる中で、(司会者などが)「お前らもういい加減にしてさっさと帰れよ〜」って言ったらすかさず
「ちょっと待ってくださいよぉ!」

ウ:そう、それが言えたらJJ(笑)。
  でもまだこれは「若干ジャック」なの。
  それで、JJ期間はわりに短いんだって。
  Jが長くて、そのあと「ちょっと待ってくださいよぉ!」のJJに入ったとき
  「あ、これでいいんだ・・・?いいんだ・・・。いいんだ・・・!」って思い始めるという。

ナ:笑いもくるしね
ウ:そして、次から長いのが「KB」の時代。
ナ:KB? なにKBって
ウ:メツキッタ。
ナ:(再び笑い崩れる)
ウ:これが・・・JJからKBまでの移行が早いんだって(笑)!
ナ:だから、もう、止まらなくなっちゃうんだろ(笑)?
  さんざん「笑わねぇ、俺は笑わねぇ」って我慢してたから、その反動で「ちょっと待ってくださいよぉ!」
  そうすると途端に楽になって、そのあとは・・・(ゴマすりの手つき)
ウ:で、KBは「なんも思いつかねぇっす!」(が特徴)
ナ:あっはっはっはっはっは(身をよじって爆笑)


ナ:KBのあとはどうなるの?

ウ:KBのあとはね・・・・・・あ、「AT」って言ってた!
ナ:AT?
ウ:「安定」、だって
あっはっはっは(顔を見合わせ身をよじって笑う)



  
第6回(2004/05/04) 仕事用のカラダ/夢で宇多田ヒカルちゃんが・・・

ナ:寒いですね。暑かったり寒かったり。
ウ:あら。どうしたの?
ナ:風邪ひきましたよ。
ウ:え?
ナ:4日間、ずっと家で寝込んでたの。昨日まで。
ウ:で、仕事になると、パタッと元気になって・・・
ナ:不思議だね〜。
ウ:プロだね!プロ。
  俺もこのあいだ2日間の休みがあったときだけ、左肩が上がらなくなったの。
  きた!ついに四十肩が!って。

ナ:あ〜
ウ:1日目は本当に上がらずに、シャンプーとかも全部右手だけでやってて、
  で、2日目になったら、外側には上がらないままなんだけど、内側をまわれば上がるようになったの。
  (クネクネと内側から手をまわす)
ナ:あっはっは(爆笑)
ウ:で、休み明けて仕事になるとこうなっちゃう(左腕を大きくグルグル回す)
  全然OKになっちゃってね。あれはなんだったんだろうって、今でもわかんないんだけど・・・

ナ:きてるよ、四十肩。
ウ:だからホント、安い体だよね。仕事になるとなんとか動くっていう体になるとさ・・・
ナ:うーん


 * * * * * * * * * * 


ウ:ワタシまた、けったいな・・・もう、ホント、なーんの意味もない夢を、見てしまいまして・・・
  設定は、南原の結婚式なんですよ。

ナ:はい
ウ:結婚式がホテルの「某の間」でおこなわれている、ドアを締め切ったこちら側(外側?)のほうにいて・・・
  で、ここはスピーチをする人の順番待ちみたいになっていて、
  俺もそのうちの1人になってるんです。

ナ:おお!
ウ:それでチラッと見たら、宇多田ヒカルと、その旦那さんがいるわけですよ。
ナ:お前それ、『キャシャーン』観た直後だったんじゃねぇの(笑)?  単純〜!
ウ:(笑)
  で、「あれ?夫婦お2人で来てる。え?南原と接点あったかなぁ?ないよなぁ・・・」って考えてて、
  でも俺は1回会ったことがあるし、ちょっとここは挨拶しておかないと、と思って、
  (宇多田夫妻に)「どうも、お久しぶりです」って、言ったら・・・
  ヒカルちゃんが、俺をシカトしたの!

ナ:ショックだねぇ〜。夢の中でもショックだよ。
ウ:夢の中でもショックですよ!
  しかも、挨拶をした俺に(ヒカルちゃんが)ちょっと嫌悪を持っているようにそっぽを向いたの。

ナ:「フン」って?
ウ:そう! それで、「うわ〜、嫌だな〜」って胸が痛くなったんだけど、パッと振り向いたら、
  俺のうしろにあゆ(浜崎あゆみ)がいたの。
  とりあえず今度はあゆに「初めまして、内村です!」って挨拶したら、
  あゆはニコッと笑って挨拶してくれたのね。

ナ:あ〜良かったねぇ。
ウ:あ〜、あゆは挨拶してくれた・・・って思えば思うほど、
  なぜヒカルちゃんは俺を嫌悪したんだろう、って胸が痛くなって・・・

ナ:知ってるのにね、ヒカルちゃんは
ウ:そう。 1回会ったことがあるのになんでだろう・・・と思ってヒカルちゃんを見てたら、
  ヒカルちゃんが、こう・・・遠巻きのほう(会場の反対側)に行ったの。
  だからここはチャンスだと思って、もう1回、ヒカルちゃんに挨拶して、
  (なぜ無視したのかを)問いただしてみようと思ったのね、俺。
  それで俺、中央にある流しそうめんの横を通って・・・

ナ:ごめん(ストップさせる手)、 ごめん、ごめん。
  あのさ、めちゃくちゃ疑問点があるんだけど・・・

ウ:なんか間違えてた?
ナ:なんで結婚式の会場に流しそうめんがあるんだよ?
ウ:あ、だから、スピーチの順番待ちの人は小腹が空くだろうからって、
  ホテルの人が流しそうめんを用意してくれたわけですよ。

ナ:いやいやいやいや。なんで流しそうめん?
  普通のそうめんを置いておくだけでいいんじゃないの?

ウ:わからないけど、まぁ、豪華スターが集まってるからでしょ。
  豪華スターが集まって流しそうめんを・・・まぁ、夏場の暑い時期ですから。


ウ:・・・それで、流しそうめんの筒を横切って、やっとヒカルちゃんのところに着いたの。
  1対1になれたわけなんですよ。

ナ:うん
ウ:俺が「ヒカルちゃん、なんか俺に・・・怒ってる?」って訊いたの。
  そうしたら、ヒカルちゃん・・・「怒ってる!」って・・・

ナ:えぇ!?
ウ:俺、「えー!?」って驚いたら・・・
  (ヒカルちゃんが)「あなた、雑誌でテトリスの悪口言ったでしょ!?」

ナ:・・・・・・?
ウ:(ヒカルちゃんいわく)「私はテトリスが大好きです。
   でも内村さんが雑誌でテトリスをあんなふうに言っているのを見て・・・
   もう私は内村さんが嫌いです!」

ナ:・・・・・・
ウ:(俺は)「ヒカルちゃん、ごめぇぇぇん!(土下座)
  ヒカルちゃん!俺は本当はテトリスが大好きで、上からこうやって落ちてくるのとかが・・・・・・!」
  ・・・チュンチュン、チチチ・・・・・・そこで目が覚めたの。

ナ:・・・・・・(「くだらねぇ・・・」の顔で笑う)


第5回(2004/04/27)


書き起こし予定

第4回(2004/04/20)


現在書き起こし中

第3回(2004/04/13)  俳句の心/心をつかむ人の魅力うまくいかない始球式

2人登場、黄色い歓声で迎える客
場所はどこかの大学の講堂?

ナ:こういうところの舞台に立つと、なんだか若手に戻ったような・・・
ウ:(見回しながら)そ〜うですねぇ

ナ:春ですね!
ウ:もう今、だんだん葉桜になってきましたけれども。
ナ:お、葉桜。
ウ:桜吹雪が、こう・・・顔にそっとあたったりすると、もう。いい感じです。
ナ:あ〜
ウ:今日も行きましたもん、桜見に。
ナ:・・・え?
ウ:今日も。
ナ:桜見に行ったの?
ウ:スタジオ入る前に、この・・・四谷の、上智大の通りを。    
ナ:はいはいはいはい!あの、ダーッと桜が続くところね!
ウ:そうそう、歩いてきましたよ。
ナ:で、どうなの?俳句のひとつやふたつ、作ったか?
ウ:・・・ん?
ナ:「俳句のひとつやふたつ、作ったか?」って言ってんだよ
ウ:作ってません
ナ:俺はね・・・最近決めたよ。
ウ:なに?
ナ:一日ひとつ、俳句作ろうって。
ウ:・・・・・・え?
ナ:一日ひとつ、俳句を作ろう、って決めたよ。
ウ:・・・いつから作ってるの?
ナ:昨日から。
ウ:・・・昨日作ったやつ、覚えてる?
ナ:うん、覚えてる。
ウ:これはぜひ聞きたいよねぇ
  (会場拍手)
ナ:その代わり、僕が俳句言ったら・・・あなた返してくださいよ?
ウ:わかりました。お願いします(お辞儀)
ナ:(お辞儀)まぁ恥ずかしいんですけどね・・・
  「目黒川」!
ウ:「目黒川」!
ナ:「桜 流るる 春めぐり
ウ:(ニヤ〜と笑う)
  (会場拍手)
ナ:(お辞儀)
   この俳句、何がすごいって、「流る」って言ったところがすごいの。

ウ:!(ひらめいて)・・・ 「目黒川」!
ナ:お、来た!返句ね。
ウ:「俺も 行ったよ この前ね」(評価をうかがうような上目遣い)
  (会場拍手)
ナ:・・・・・・それ、伝言板?
  なんていうかなぁ、教養がないっていうのかなぁ、君にはやっぱり。

ウ:(笑)
ナ:俳句には季語ってものがあるわけですよ。
ウ:・・・!(ひらめいて)「目黒川」!
ナ:うん・・・・・・別に「目黒川」じゃなくたっていいんだよ(笑)?
  目黒川についての返事だけじゃないんだし

ウ:(笑)そうだけど、・・・俺、バカだから
ナ:あぁ、弱いのね、そのへん。
ウ:「目黒川 みんな撮ってた 写メールで」(満足げにうなずく)
ナ:・・・・・・うん、いいんだけどねー、あの、復習ってものができないのかな?
  人の話を聞か・・・

ウ:(ナンチャンが言い終わる前に)「俺も撮ってた 写メールで」!(納得したようにうなずく)
ナ:うん、だからなんていうのかな・・・
ウ:(ナンチャンが言い終わる前に)「目黒川 夜も行ったよ トミーとね」?(評価をうかがうような上目遣い)
ナ:「行ったよ」「やったよ」ばっかりじゃない。「行った」「やった」はわかってるんですよ。
   だってお前、『上々』のとき“俳句の会”とか作ってたろ?

ウ:あぁ、作ってたねぇ
ナ:な?
ウ:そうだねぇ・・・(腕組みをして考え込む)
   ・・・「南原は

ナ:お!
ウ:・・・・・・「何に興味があるのかな」?(首をかしげて上目遣い)
  (会場拍手)
ナ:・・・うん・・・
ウ:意外に深い歌になってしまった


     ***************


ウ:びっくりしたよ、このあいだの日曜日。
ナ:うん?
ウ:夕方にテレビつけたら柔道やってて、「どっかで聞いた声だなー・・・あれ?なん・・・?南原だ!」って。
  それで夜中にそろそろ寝ようかなーと思いながらテレビ見てたら
  ♪AMENO〜♪AMENO〜♪「南原清隆です!」
  ああっ!?ってなったの(驚いてのけぞるジェスチャー)
  「あいつ、福岡にいたのに(夜には)東京のスタジオにいる!」って。
  (声を裏返しながら)すごいねー!

ナ:(福岡も)ナマ、(東京も)ナマね。
ウ:ねーっ!
  ・・・え、柔道もナマで見てたの?

ナ:ナマだよー!
ウ:マジでー?
ナ:ナマだよ!
ウ:すごいなぁ〜・・・

ナ:会ったよ、世界の山下(大輔)に。
ウ:ほぅ
ナ:やっぱりねぇ、俺、最近思うんだけど、
  すごい人とか、立派な人とかカッコイイ人とか、こう・・・上にいくような人?
  そういう人たちは、ある共通点がある!

ウ:なに?
ナ:これはねぇ、お前もそうなった方がいい!
ウ:そうなる・・・?
ナ:お前もそうなった方がいいし、俺も学ぶべき点がいっぱいある。
ウ:どういうところですか
ナ:時代を超えるスターっていうのは、だいたいそういうもんなんだよ。
  山下さんも、そういうところがあった。

ウ:はい・・・どういうところですか、共通点っていうのは
ナ:あのね・・・・・・一発で人の心をつかめるところね。
ウ:ありがとうございます(お辞儀)
ナ:え、何に対して(のお礼)?そんな俳句の心も理解できないようなお前が。


ナ:一発で人の心をつかむんだよ?わかる?
ウ:まだまだ俺たちつかめてない?
ナ:つかんでない!弱い!
  お前なんてすぐに壁作るじゃん、人に対して。

ウ:うふ(笑)
ナ:あれがね、スターになれない原因。
  山下さんに会ったときにね・・・もう、世界の山下ですよ?国民栄誉賞をとった山下ですよ?
  初めて会うときって、ドキドキするじゃない。僕、解説席で隣に座ったの。
  なんでかわからないけど僕が柔道についてしゃべらなくちゃいけなくなって。
  で、挨拶とかするわけですよ。

ウ:うん
ナ:隣に座るとき、「やばい、山下さんだ・・・」って緊張しながら挨拶したの。
  「すみません、南原と申します。今日、同じ解説席のお隣でやらせてもらいます!
   よろしくお願いします!」って言うじゃん。

ウ:うん
ナ:(こういうふうに挨拶されたとき、)お前だったらどうする?
  後輩の若手が「内村さん、今日はよろしくお願いします!」って言ったら。

ウ:「ウーッス。ウス、ウス」
ナ:(あり得ない、と手を振って)三流!
ウ:三流ですかこれは
ナ:三流スター!
ウ:マジで?
ナ:っていうかスターじゃないね。三流・・・「ズター」だね。ズター。濁ってるよ。
ウ:山下さんはどうだったんですか
ナ:もう、一発で「その人のために力を尽くそう」って思わなきゃダメなのよ。山下さんもそうだった。
ウ:(山下さんに会う、という設定で)「どうも初めまして、内村と申します。よろしくお願いします」(お辞儀)
ナ:(山下さんの風格で)「お会いできて、光栄です!」(両手で相手の手をとり握手、深くお辞儀)
   (会場 「おーっ!」と沸く)
ナ:も、投げられたいと思ったもん。素晴らしいよ!素晴らしい。
ウ:わかった、「お会いできて、光栄です」、ね。


ナ:渡哲也さんに会ったときもすごかったよ。
  何かのパーティ・・・たしかテレビ局のお祝いのパーティだったと思うんだけど・・・

ウ:(ナンチャンの目を見ながら黙ってうなずく)
ナ:・・・・・・聞いてる?
ウ:・・・・・・!? 聞いてるよ?  びっくりしたー、今、目を見て聞いてたよ?
ナ:だってお前さぁ、たまに・・・自分の本意じゃないのかもしれないけど、
  嫌そうな顔して聞いてるときあるんだもん・・・。
  そういうところがさぁ、やっぱりズターなんだぜ?

ウ:(しらじらしく)「お話が聞けて、光栄です」。
ナ:もっと前に来て聞いてよ。


ナ:・・・それで、大勢いる中、渡さんに初めて会ったの。
  「わぁすげぇ・・・渡哲也だ!」って、昔から見てる大物俳優だから、
  自分が素人だった頃の感覚に戻って“渡哲也”って言っちゃうぐらい興奮してるわけですよ。
  そしたら、大勢の人がいるのよ?そんな中でパッと渡さんと目が合ったの。
  「わっ、ヤバイ!渡哲也と目が合った!」ってビビってたら、渡さんが人をかきわけて
  こっちまで来てくれたの。
  俺、緊張しまくって「初めまして、ウッチャンナンチャンの南原と申します!」って挨拶したら
  渡さんは「(低い声で)自分・・・いつも見てます・・・」って

ウ:言ってない(笑)! 「自分」とは絶対言ってない! ウソだろ?
  「自分・・・」って今、作ったろ? 膨らませんなよ(笑)
   つかみ合いじゃれるウンナン。微笑ましい・・・
ナ:いやいや、言ってたの。俺に対して「自分」だなんて言ってくれるんだなーって感動したもん。
  もう、片足ぐらいまで石原軍団に入りそうになっちゃった。

ウ:足、入れそうになっちゃったんだ。
ナ:うん、それぐらい。


ナ:それから、王監督に会ったときもすごかった!
ウ:いっぱい会ってるねー。
ナ:食事をしてたんですよ、福岡で。
  そしたら同じ店のふすま一枚むこうに王さんたちが来てたみたいで、
  俺たちが来ていることを聞きつけたのか、わざわざ挨拶に来てくれたのよ。

ウ:おお、寄ってくるねぇ、ナンチャンのところに。
ナ:それで俺の横に座ったの!
  俺、「初めまして、南原です!」って言ったら、王さんが「自分・・・」

ウ:「自分」は言ってない!「自分」は言ってないでしょー。   またもじゃれ合う
  口調が渡さんと一緒じゃない(笑)。
ナ:それはごめん(笑)。
  でもやっぱり、国民栄誉賞をもらうような人は一発で人の心をつかむなぁ、って。
  あのね、俺たち(ウンナンには)それが無い。

ウ:無い。


ウ:あ!俺もね、このあいだ久米宏さんに会ったの。
ナ:え?どこでー!?
ウ:テレ朝で、久米さんの楽屋の前にあるスペースで撮影を・・・内Pの・・・
ナ:失礼だなーお前! むこうはニュースステーションの最後の日までちゃんと
  プランを立ててやってたのに、こっちはノープラン連中なんだろ?

ウ:・・・・・・(笑)。
  で、久米さんはテレ朝に入ってきたところらしくて。
  それを見て「わぁ・・・久米さんだぁ・・・」って(胸をおさえてトキメくジェスチャー)。
  そんな久米さんが、スーッと俺らの前を通っていくから、姿勢を正して
  「あ、久米さん!お久しぶりです!内村です!」って(お辞儀)。
  そしたら久米さん、握手してきてくれて・・・

ナ:・・・おお!
ウ:(握手しながら、久米さんが)「ちょっとそこ、邪魔だから」って。
ナ:(爆笑)
ウ:どうも我々撮影隊が邪魔だったらしくてですね。
  そのあとのノープラン連中、しょんぼり。

ナ:やっぱりなぁ。ノープランだからなぁ。


ウ:でも、うん。わかりました。僕もがんばります、これから。
  今後、仕事で きぐるみピエロに会ったら、「(低い声で)お会いできて光栄です」って(お辞儀)。

ナ:・・・・・・お前は応用とかできないのね。
ウ:バカリズムに会ったら「(低い声で)内村光良です・・・」って(握手)。
  「自分・・・!」って言う(得意満面の笑みでナンチャンを見上げる)。

ナ:・・・そうね。 「自分」は大事だよね。
ウ:あ、「自分」は大事なんだ。



 * * * アンケートコーナー * * * 


ウ:お客さんにね、事前にアンケートをいただいてるらしいんですが・・・
  (アンケートを読み上げる)「南原さん、始球式で打たれたときの気持ちはどうでしたか?」
  始球式、打たれちゃったの?

ナ:・・・まぁ、結論だけ言えばそうだよね。
ウ:始球式って、打たれないものなんじゃないの?
ナ:うん、えーっと、常識的にはそうだよね。
ウ:さすが(笑)。 何かやるよねぇ。
  前回も始球式に出ることになったとき、何ヶ月もかけて練習したのに
  最終的には本番でデッドボールになったんだよねぇ(笑)。

ナ:(うなだれる)・・・・・あのねぇ、ホントに僕はねぇ、も、自分の思い通りにならないことが多すぎる!
ウ:!!(のけぞって爆笑)
ナ:詳しく言うと、前回のデッドボール・・・・・・神宮球場を週に3日も借りてだぜ?
  1日100球から200球、投げ込んだんですよ。
  でも、そのときの僕の中にね、邪な考えが出てきていたわけですよ。
  相手のメジャーリーガーのリッキー・ヘンダーソンに、始球式の前に
  「やるならマジな勝負しようじゃないか」って持ちかけたの。

ウ:うん・・・(「コイツしょうがないなぁ」の笑顔)
ナ:そしたらリッキーも「おー!いいよー!」って言ったのよ。
  この、俺の投げた球を もしリッキーが空振りしたら、俺、・・・オーバー・ザ・パシフィック?

ウ:え?・・・・・・あ、こう・・・太平洋を越えてメジャーに行けるか、と。
ナ:リッキーも「Yes , of course!」ってノッてくれたからさ、俺も「アイハブ・ア・チケット!」って。
ウ:ん?もう(チケット)持ってるんだ?
ナ:そう。「アイハブ・ア・チケット!オールウェイズ!」
ウ:「オールウェイズ!」 いいね、「いつも持ってるぜぃ!」ってね!
ナ:「バット!・・・・・・オンリー、片道」
ウ:そこはちょっと(英語で)言えなかったか。
ナ:・・・っていう感じになったわけですよ。それぐらいボルテージが上がってて。
  それで本番・・・相手はリッキー・ヘンダーソン、もし俺の球を空振りしたら、
  俺はオーバー・ザ・パシフィック!

ウ:「アイハバ・チケット!」
ナ:イェス、アイハバ・チケット! バットオンリー片道切符!
ウ:(手で顔を覆って爆笑)
ナ:で、こう・・・投げたわけですよ(投球フォームになる)。
  そうするとねぇ・・・なんかねぇ、ちょっと・・・曇天の雲の隙間から虹がさして、
  キラキラキラ〜ンって音がしてねぇ・・・なにかがこう・・・降りてくるわけですよ。

ウ:投げるまでのえらく短いあいだに、なにかが見えたんだ?
ナ:それはねぇ・・・・・・笑いの神様が降りてきてたみたい。
ウ:虹の彼方から。
ナ:「来るな」って言うときに。
ウ:「来ちゃいかん」って言うときに。
ナ:俺はね、もう2000球ぐらい投げてきてて、さぁ決めるぞってなったときに彼が現れて、
  そのままビュッて投げたら、・・・・・・リッキー・ヘンダーソンの、世界の盗塁記録を持った足に・・・。
ウ:うん・・・
ナ:そのあとはもう、土下座ですよ。 ジャパニーズスタイル。

ウ:(爆笑)



第2回(2004/04/06)    緊張の記者会見/必殺ソファ売り


ウ:このあいだ、広島に行ったのね、映画のキャンペーンで。
ナ:はいはい
ウ:そしたら、映画の取材はもちろん各地でもあったんですけれども、
  ひとつだけ見慣れないスケジュールがあって、「テープカット」って書いてあったの

ナ:おお、はい!
ウ:シネコンっていう、ひとつの館内に複数の映画館が入ってるでっかい映画館、
  あれが広島でオープンするってことで・・・それで、テープカット

ナ:お前めちゃめちゃ栄えある役じゃん、それ!
ウ:びっくり
ナ:そのシネコン、客が入んなかったらお前のせいだぞ?
ウ:!
ナ:・・・っていうぐらい、テープカットって大事なんだぜ?
ウ:うん・・・。で、テープカットって、何人かが横1列に並んで「せーの」で切るじゃない
ナ:そうね
ウ:その、並びを見たらさ・・・俺、中央なの
ナ:ほかは誰なの?
ウ:左右隣が東映の社長と東宝の社長なの!
ナ:・・・!それ、地元(広島支社)の・・・
ウ:いやいやいや、本社の。
ナ:えーっ!?
ウ:東京の本社から、東映の社長と東宝の社長、そのほかお偉いさんがガーッっと並んで、
  その両端にワンピースとドラえもんが立ってるんだよ!東映と東宝のアニメの代表ですよ

ナ:(並びの絵を思い浮かべて)・・・ホントだ!
ウ:ホント!その並びの真ん中ですよ。 それで、もう、緊張しますよね。とにかく・・・
ナ:ボケなきゃいけないしね
ウ:(笑)
ナ:「東宝と東映の社長、手をつないでください」って言って、その握手を切るマネしたりして。
  「ライバル〜!」みたいな

ウ:あはははは(爆笑)
ナ:そしたらドラえもんとワンピースがお前を羽交い絞めにして連れてっちゃうの
ウ:(爆笑)
ナ:やれよーお前!それぐらい
ウ:いやー、できなかったっス

ウ:それで、テープカットが無事に終わったの。きちんと、テープカット!
ナ:「内村さん、テープカットお願いします」って言われたときに
  「いや、僕はいいですよ」って断らなかったの?
ウ:いや、もう予定で決まってたみたい。しかも「囲みの取材もあります」って
ナ:え?お前ひとりで?
ウ:ううん、東映の社長と東宝の社長と俺と、3人きりで。
ナ:えーっ・・・東映と東宝の社長は何を話すの
ウ:談笑してた。
ナ:お前、一番苦手じゃん!そういう大人の談笑が
ウ:・・・・・・・・・
ナ:一番嫌いじゃん
ウ:いえ、全然
ナ:盛り上がった?話・・・
ウ:盛り上がりましたよ。なんかこう、東映と東宝が手を結んだのを見てて、坂本龍馬みたいな気分にね
ナ:薩長同盟
ウ:そう、薩長同盟。

ウ:「3人で囲み」で、取材陣がガーっと取り巻いてたの。地元のテレビ局、各民放やNHKも・・・
ナ:そりゃそうだよ・・・えっNHKも!?
ウ:そう、来てるんですよ。
  それで、まず取材陣からの一発目の質問が「えー、年間どれぐらいの興収を狙ってるんですか」

ナ:・・・・・・!
ウ:(目をまん丸に開いて)「えーっ!?」(って驚いたよ俺)
ナ:え?内村に聞いたの?
ウ:いえいえいえ、まず東映の社長から聞かれたから、
  ・・・順々に俺も聞かれるのかなぁって、思ったのね(笑)

ナ:おお。で、東映の社長が答えたんだ?
ウ:なんか・・・じゅう・・・いくつ・・・とか言ってたけど。
  でも俺わかんないんだもん、そんな年間の興行収入とかさ

ナ:東映の社長が答えて・・・お前、そこで言えよ、かませよ!
ウ:なんて?
ナ:(社長が何億円とか答えたら)「社長!(首を振りながら)そんなんじゃスケール小さいっすよ!」
ウ:あはは(笑)
ナ:「100億いきます!」とか言えよー!かませよリップサービスを〜
ウ:(もし南原がその場にいても)お前だって絶対に言ってねーよ(笑)
ナ:言うよ!俺だったら、スコーンって
ウ:そりゃその場にいなかったから言えるんだよー(笑)
ナ:「いきましょうよ!社長〜」って(社長のお尻をうしろでたたくジェスチャー)
ウ:け、ケツ叩くの!?
ナ:そう。リップサービスなんだから〜
ウ:サービスなんだ・・・
ナ:で?東宝の社長も答えたんだ。じゃあお前には質問なかったの?
ウ:俺はスルーされたんですね、その質問は。
  だからずーっっとニコニコしながらで四方にうなずいてた。
  「わぁ、10億・・・!」みたいな感じで

ナ:ふーん
ウ:で、記者さんが2人の社長にいろいろ質問したあと「あー、内村さん!」って。
ナ:おお
ウ:「わぁ、来た!」って(緊張のポーズ)、
  「えー、今みたいな難しい質問来たらどうしよう・・・」って思ってたら

ナ:うん
ウ:(記者が)「どうですかー?この映画館は」
ナ:おー!いい質問じゃない!
ウ:(俺は)「えー・・・・・・新築の、いい匂いがしました!」って(ゆっくりうなずく)
ナ:(軽蔑のまなざし)・・・・・・・・・。
ウ:・・・答えた・・・緊張した・・・(心臓をおさえる)
ナ:お前は“愛想”というものが使えないのか
ウ:言っちゃった・・・言っちゃった・・・
ナ:で?記者はなんて言ってた?
ウ:失笑ですよ。(記者が、とったメモを破って丸めて捨てるジェスチャー)
ナ:(ため息)ほんっとに・・・お前、そういうさぁ、スピーチとかを覚えなきゃだめだよ!これから・・・
ウ:そうですよホント
ナ:40歳になる大人がさぁ、「新築のいい匂いがしました!」って、小学生かよ!
  まぁ・・・そんなんじゃ記事にはならないわなぁ・・・
ウ:うん(記者がメモを丸めて踏みつけるジェスチャー)

ナ:しかし、いよいよ(映画の)公開が・・・
ウ:そうですね、もう・・・(詳しい日程を確認)
ナ:・・・へぇっクシュ
ウ:ぅオイ!
ナ:・・・・・・(クシャミ後の余韻に浸っている)
ウ:・・・・・・(落胆)
  全っ然・・・興味がねぇんだなー・・・
ナ:おーい、なに言ってんだよ!(爽やかに)見るよ!(満面の笑み)
ウ:あはは(笑)
ナ:お前が精魂込めて作ったんだろ
ウ:(笑)
ナ:ロケハンとか、行ってたじゃねぇか
ウ:うはは(笑)
ナ:うれしそうに!
ウ:お前、なんか(の映画宣伝番組)で見たな?


   ******話変わって・・・******


ナ:きのうね
ウ:うん
ナ:あの・・・買うつもりなかったのに、買うことって・・・あるじゃないですか
ウ:うん?
ナ:買うつもりはまったくないのに、・・・あれ・・・?・・・買っちゃった!・・・っていう
ウ:買い物に行ったの?
ナ:あのね、家のソファをね、ちょっと見に行こうか、って話になって
ウ:おお
ナ:ソファを見に行ったんですよ。買うつもりはないんですよ。どっちかっていうとヒマつぶしに、ですよ。
ウ:うん
ナ:でもね・・・いま、店員さんの接客変わってきましたね!
ウ:ほぅ
ナ:今までだったら勝手に適当に見てたのに、今は客1人に店員1人がつくの!
  こうやって(ウッチャンにぴったりついて立つ)

ウ:おお
ナ:で、ついて・・・「ちょっと座ってみましょうか?」って言うの。
  そこには「休憩はしないでください」っていう札もついてるんですよ。

ウ:ほぅ
ナ:「見るだけですよ?」って言ってるのに「もちろんです、どうぞ座ってください」って。
  で、座ってみて「あ、これいいですねー」って言ったら
  「いいでしょう?この背もたれがこういうふうになってて・・・ここを倒せばもっと楽に座れますよ」
  「あ!これはいいですねー」って

ウ:(笑)
ナ:しかも店員さん、「まだまだありますよ」って、耳打ちしてくるの。
  で、3種類ぐらい座ってみたわけ

ウ:はいはい
ナ:そうするとね、だんだん、いま家にあるソファがどいていくわけですよ。
ウ:(笑)
ナ:3つの中で、どれを買うかなーって、頭がグルグルしてくるわけですよ。
ウ:うん、うん
ナ:買うつもり、なかったんですよ?
ウ:うん、うん
ナ:でもね、この一言で後押しされました。
  俺が「ちなみに色はほかに何色がありますかねぇ」って聞いたら
  「アイボリーと黒がありますが・・・ただ、人気なんでね、ちょっと今、在庫があるかどうか・・・」って言うから、
  「ふーん・・・人気なんだ・・・」と。

ウ:うんうん
ナ:で、僕「ちなみに在庫の数、聞いてもいいですか?」って頼んだら
  「いいですよ!」ってその店員さん、その場で携帯だしてどこかに電話してんの。
  「もしもし?確認なんだけど・・・うん、うん・・・えぇ!?あぁそうですか・・・はい、はい」とか、難しそうな顔して。

ウ:うん、そそるね。
ナ:気になるわけですよ。で、「すみません、いくつだったんですか?」って聞いたら、
  「えーとね・・・今の時点では・・・2つです」

ウ:うん
ナ:僕はだいたい、買い物をするときは、そのモノに縁があるかどうかで買うのを決めてるんですよ。
  縁があれば僕のところに来る、と。

ウ:はい、はい
ナ:じゃないと、縁がないってことだから。
ウ:うん
ナ:なければ後追いはしないんです。
ウ:まぁでも残り2つだからね。
ナ:そう。で、「2つねぇ・・・2つ残ってるなら、もうちょっと考えようかな」って思ってたら
  店員さんが「ええ、2つ・・・なんですけれども、これがですね、仮予約が2つ入ってるんですよ」

ウ:出た。
ナ:「カリヨヤク」!?
ウ:殺気立った
ナ:そこから僕はどんどん、その仮予約のやつらに負けたくないな、って気持ちが出てきたわけですよ
ウ:うまいね、その人
ナ:うん、でもここで決めちゃうのもあれだな、と思って、もうちょっと考えるみたいなこと言ったら
  店員さんが「(今ある在庫が売れたら)次が来るまで4ヶ月待ちなんですよ」

ウ:あー
ナ:(つづけて店員が)「まぁこれはなかなか日本では手に入らないものですし・・・
   いかがですか、今なら確保できますけれども、確保」

ウ:・・・・・・(笑)
ナ:(力強く指をさして)「確保してください!」


第1回(2004/03/30)    初心は・・・/芸能人以外の適職
2人、スタジオに登場

ナ:どうもどうもー!さぁ、面白い話をパッパッパーとねー!
ウ:きょうから始まりました新番組『UN街』でございます。
  今まではラジオブース(※)で撮ってましたけれども  (※「ウンナンさん」のこと)
  今回からは“立ち”でトークということで。

ナ:この番組は毎回、いろいろな企画に変わるんだよね
ウ:そうです。第1回は「お笑い芸人1年未満」のみなさんに集まっていただいて
  笑いについての熱い討論会を・・・


ナ:ちなみに内村さんは芸人1年生のとき、何を考えてました?
ウ:いやーもう、デビューしていきなり『お笑いスター誕生』っていう番組で、
  いわゆる勝ち抜き戦だったじゃないですか

ナ:うん
ウ:だからそれで(勝ち抜いていくことに)必死、という感じでしたね
ナ:・・・必死、ね
ウ:あれ?
ナ:必死なのに、1回戦の結果発表のとき、あくびしたのは誰だ?
ウ:(笑)
ナ:司会の方が「さ〜ぁ、それではウッチャンナンチャンの点数は!」って言ってるときに、
  俺の横で「フヮ〜ァ」

ウ:(笑)
ナ:テレビでそれ見てびっくりしたよ。
  まさかそいつと、ほぼ20年やると思わなかったよ

ウ:あはは(笑)
  えっ、じゃあ1年目の頃にはもうしっかりしたビジョンがあったんですか

ナ:そうですね・・・いつ・・・帰ろうかな、と思ってました。田舎に
ウ:・・・(笑)
ナ:長く続かない、と思ってたんで
ウ:あぁ・・・バイト感覚?
ナ:(急に熱くなって)お前、お笑いナメてんのかよ!?バイトでできるかぁーっ!ええ!?
ウ:・・・・・・!?(口をあんぐり開けて唖然)
ナ:こんな・・・みんなが必死でやってるところ・・・バイトなんかでできるかぁっ!
ウ:・・・・・・(何があったの?という顔で客席を見る)
ナ:そんなんだったらやめちまえ!しっぽ巻いて帰っちまえ!田舎に!
ウ:バイト感覚だったんだろ?
ナ:最初はな(あっさり)。
  バイトでやりながらも、どこかで「売れたいな」って思ってた。この矛盾?この楽しみ?

ウ:(笑)




ウ:あー、でも1回戦で落ちてたら俺、どうなってたんだろうと思うねぇ
ナ:どうもこうも、お前は何もなってないよ
ウ:俺は・・・
ナ:お前は芸能界しかないもん
ウ:・・・なんで?
ナ:一般社会なんて、通用しないもん
ウ:・・・(笑)
ナ:お前のその、考えとか
ウ:俺の・・・
ナ:お前はほら、笑顔が柔和だから、一般でも通用すると思ってるだろうけど
  十何年つきあって思ったよ。無理だよお前は。芸能界以外

ウ:・・・・・・(何か言おうとするも何も言えずにただ微笑む)
ナ:じゃあ、何ができる?芸能界辞めて、今からほかの職業やるってなったときに、
  ハイ、何ができる?

ウ:・・・・・・(哀しそうに微笑みながら首を傾げる)
ナ:何がやりたいの?
ウ:やっぱりー、あのー、商いの倅ですから・・・
ナ:小売業のね
ウ:そうです。だから、そういった方面の商才は、もしかしたらあったかもしれ・・・
ナ:はぁ!?
ウ:いや、商才・・・
ナ:売るだけじゃないんですよ!
  あれはちゃんと仕入れしたりとかね、お金の計算をして純利益を上げて
  やっとこさ、親子4人が食っていけるんですよ?

ウ:親子4人・・・(笑)
ナ:品物が来た、パッと売った、だけじゃないんですよ!先々を見越した仕入れがあるわけですよ。
  当然、在庫もあるわけですよ。それも処分しなきゃいけない。
  あなたにそれができるのか!?秋好の気持ちがわかるのか!?

ウ:(爆笑)
ナ:なめちゃいけない。なめちゃいけない。なめちゃいけない!
ウ:お、3回言った

ナ:じゃあ他に何ができるんだ、え?
  何かの拍子にウッチャンナンチャンが終わるかもしれない。
  やめるかもわからない。な?

ウ:はい
ナ:言ってごらん。何ができる?今のお前に
ウ:・・・・・・
ナ:何をこの20年間、学んできた?
ウ:(笑)深いなー。すごい質問が飛んできた・・・
ナ:いいかー、一寸先は見えないんだ!
ウ:パシッ(思いついて手を打つ)
ナ:来たっ。教えて
ウ:なんか、・・・
ナ:「なんか」ぁぁぁぁ!?
ウ:違う違う違う違う・・・
ナ:それで面接に通ると思うかー!
  「なんか」ぁぁぁ!?はっきりとしたビジョン、出してみろ!

ウ:DVDを・・・
ナ:お!(食いつく)DVDを?
ウ:DVDを・・・見た感想・・・を、言う・・・みたいな・・・仕事・・・は・・・
ナ:ほぉ・・・おもしろいねぇ・・・(肩を大げさに震わせて笑う)
  好きなDVDを見て?

ウ:怒るよ、この人、怒るよ!
ナ:感想を言って?そんなんで喜ぶ人がいるわけだ。
  喜んだうえにお金を出す人がいるわけだ。
  その仕事のシステムを教えてくれよー!(ミュージカル風にひざまずく)

ウ:(笑)舞台だぁ、舞台だぁ
ナ:システムを教えてくれよ。
ウ:いや、だから感想を言って・・・
ナ:じゃあ最近は何のDVDを見たの?その感想が良ければ、金を払おうじゃないか!
ウ:・・・わかりました。
  最近は・・・アレを見ました。『インファナル・アフェア』!

ナ:・・・・・・言いづらい!却下
ウ:(驚いて)いやいやいやいやいや、タ、タイトルです!
ナ:なーんか長くて、インファニャフニャフニャ・・・だめ。
  「最近見たのは?」「24(twety-four)!」以上!

ウ:映画のタイトルが『インファナル・アフェア』なんですよ
ナ:まぁいい・・・それで、誰が出てんだよ
ウ:アンディ・ラウと、トニー・レオンです!
ナ:まーた香港映画か・・・
ウ:・・・・・・
ナ:ああ、あれだ!上からダーッと降りてくるヤツだろ?
ウ:上からダーッと降りてくるヤツ・・・?
  さ〜ぁ、どんな映画だ?

ナ:車の上に、ドーンと降りてくるヤツじゃないの?
ウ:ああ!そうそうそうそうそう!
ナ:じゃあ感想言ってくれよ。それで飯が食えるのかどうか、
  お前が世間に対してどんな思いがあるのか教えてくれよ(嘲笑するように)

ウ:(笑)・・・えー、『インファナル・アフェア』。
  アンディ・ラウは、ヤクザなんですけれども、警察にスパイとして送り込まれるわけです。
  一方、トニー・レオン。こちらは刑事なんですが・・・

ナ:ちょっといいですか?・・・あらすじじゃん。
  それってお前、読書感想文でいえば最低な奴じゃん。
  あらすじをずぅーっと書いて、最後に一言「おもしろかった」っていう、最低な奴じゃん!

ウ:・・・・・・(指の爪を噛んでいる)
ナ:最初に惹きつけるようなツカミがないと。
  たとえば淀川さんだったら、「さよなら、さよなら、さよなら」っていう名文句があるわけだよ
  そういうフレーズも含めて教えてくれよ

ウ:・・・・・・はい。
  (ジェスチャーつきで)ドン!ヒャー!『インファナル・アフェア』!
  男、ふたりが、おもしろい!ナーイスシネマ!(満面の笑み)


ナ:・・・なめてるな・・・。それで誰が金払う?え?
  お前、どうすんだよ?芸能界なくなったら・・・

ウ:・・・・・・じゃあさぁ、さんざん言ってるけど、あんたどうすんだよ。
ナ:なにがぁ?俺?
 ・・・田舎に帰るよ!

ウ:えっ・・・(笑)帰って・・・何やるんだよ
ナ:・・・今までの名前使って・・・お店出す
ウ:・・・・・・!(口を手でふさいで爆笑)
ナ:どうだ、この浅草芸人みたいな考え方!
ウ:(笑)・・・・・・(スーッと息を吸って)なめてんのかー!
  ショバ代とか仕入れとかいろいろあんだろーがー!

ナ:俺が言ったんじゃん(笑)
ウ:なんだよ「今までの名前で食っていく」って!?
  ナン魔くんとかはっぱ隊とかでやっていくのか!
  「あれねー、昔やってたんですよ」って写真飾っとくのか!
  ・・・あっほっかっ!
  あっほっきゃっ!

ナ:(一緒に)あっほっきゃっ!(笑)




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